KOSS KSC75[ 2013 / 05 / 08 ]

パッドの付け外しと、音が出なくなった故障の修理を行います。

KSC75

パッケージ KSC75

耳掛け型の定番ヘッドホンです。KOSSのロングセラーヘッドホンPORTA PRO相当のドライバーユニットを搭載し、気軽に取り付けられ装着感もよく、純正のイヤーパッドも安価で使い勝手がよいです。出始めの頃は3000円弱だった価格も最近は1000円台まで落ちています。耳掛け型特有の遮音性の無さと音漏れ、個性的な外観が問題ないならお勧めです。

周波数帯域感度インピーダンス長さ重さ
15~25kHz101dB60Ω1.2m43g
新旧プラグ 新旧外観

日本で出回り始めた頃の製品はL字プラグでしたが、最近はストレートに変更されています。パッケージも変わったような気がします。製品はプラグ以外の違いはありません。

イヤーパッド

パッドを取り外した状態 ハウジング周りの突起

イヤーパッドは簡単に外せますが、ハウジング周りに小さな突起が付いているので、イヤーパッドの端を持ち上げるようにして外します。そのまま引っ張るとスポンジが裂けます。

パッドサイズ ハウジングサイズ

パッドのサイズは50mm、ハウジングは44mmです。

パッドの上にハウジングを乗せる パッドをかぶせていく

取り付けはパッドの上にハウジングを乗せてかぶせていきます。

100円パッド

100円パッド 100円パッドの取り付け

ほぼ同じサイズの100円パッドを取り付ける事もできます。

純正品と100円パッド

100円パッドの方がかぶせる部分が長くなっています。見た目は大して変わりませんが純正品の方がしっかりとした作りになっています。純正品も大して高くはありませんがそこらの店で買える物ではないので、入手製の良い100円パッドで済ませてもいいかもしれません。

修理

修理前 中の線が見えているケーブル

何年も使い続けたところ音が出なくなってしまいました。中の線が見えてる側はケーブルを動かすと音が鳴る事があり、もう片方はどんなに動かしても音が鳴りません。ケーブル断線のような症状ですが、とりあえずケーブルは切らずにそのまま分解してみます。作業中は音を鳴らしっぱなしにして動作確認をしています。

端子部分のふたを外す

へらを差し込む ふたを浮かせる

画像の部分にプラスチックのへらを差し込んでみると、この部品が持ち上がりました。マイナスドライバなどでも行けますが、プラスチック製の物を使うと傷が付きません。

ふたを外す 端子のピンアサイン

そのまま真上に持ち上げると端子を覆っていたふたが外れました。画像右側の緑色の線が付いている端子が左チャンネル、茶色の線が付いている方がグラウンドです。右側はプラス側に赤色の線が使われています。

ケーブルストッパー処理

右側の端子付近 修正した左側端子

右側のふたを外してみると、ケーブルが上側を通って収納されています。このように納めればケーブルが引っ張られても、ハンダ付け部分に力が加わりにくくなります。左側の方も同じように納めてみました。

左側の方は何かの拍子でこのケーブルストッパーが外れてしまい、ハンダ部分に力が加わり続けて接触不良になってしまったようです。もしこのように中の線が見える状態になったらふたを外してケーブルを納め直すと良いでしょう。

ケーブルを動かすと音が出たり消えたりする左ハウジング側の修理

ハンダごてを当てる ハンダを溶かし直した端子

ハンダ付近のケーブルを動かすと音が出たり消えたりするので、とりあえずハンダごてを当ててハンダを溶かし、ケーブルを付け直してみたら音がちゃんと出るようになりました。付け直した後はケーブルを動かしても音がとぎれる事はありません。

完全に音が出ない右ハウジング側の修理

ケーブルの断線?

取り外した右側のケーブル 左のケーブルを移植

右側は断線でもしてるかと思いケーブルを外しました。それをテスターでチェックしてみたところ断線が確認できなかったので、また付け直してみたところ音は出ません。試しに左チャンネルの線を外して右に付けてみましたが音は出ません。

各チャンネルの抵抗値

左チャンネルの抵抗値 右チャンネルの抵抗値

両チャンネル共にケーブルを外した状態でテスターで抵抗値の測定をしてみると、右チャンネルの値が出ません。

ユニットからの線

ドライバーユニットから端子部分に細い線が接続されています。この線には黄色い接着剤で保護されていますが、この部分が怪しいです。

接着剤にハンダごてを当てる 補修後の抵抗値

ハンダごてを接着剤のあたりに当てた後、抵抗値を見てみるとちゃんと数値が出ました。接着剤で保護されていた線が衝撃か何かで断線し、それが今回の作業でつながったようです。

ハンダ付けと組み立て

Rchのハンダ付け Rchのふたを閉じる

ケーブルをハンダ付けすると音が出るようになりました。そのまま組み立てふたを閉じるとそこで音が途絶えました。

応急処置

適当にハンダごてを当てる

再び丸で囲った部分を適当にハンダごてを当てたら音が出たり消えたりで不安定です。そのままいじっていると音が全く出なくなりました。ハンダごてでハンダをかき混ぜているうちに細い線が完全に切れてしまったようです。

ユニットからの線 ハンダごてを動かす方向

元々線が通っていた流れをイメージしながら画像左下の方向にハンダごてを動かすとわずかに音が出る事があります。ハンダごてを左下に動かした時、断線したケーブルの先端に届いているようです。

ハンダを左下に伸ばしても、すぐに上の端子にハンダが流れて戻ってしまいうまく固定できませんが、左下にハンダを引き延ばすようにハンダごてを動かすのを何度かしているうちに、音が出る状態でうまくハンダを固定する事ができました。

作業終了

作業終了

ケーブルをハンダ付けし、ふたを閉じて作業終了です。修理後にうっかりケーブルを引っかけて吹き飛ばしたりしましたが、音が出なくなる事もなく問題なく使えています。