JVC HP-RX500の断線修理[ 2011 / 12 / 02 ]

筐体の一部の破損によって断線したHP-RX500の修理を行います。破損箇所を補修し、左と右のユニットをつなぐケーブルを交換します。

破損箇所と補修

HP-RX500のスペック

HP-RX500
形式ドライバ感度周波数帯域許容入力抵抗質量長さ
密閉40mm105dB10~22kHz1200mW70Ω194g3.5+1.5m

破損箇所

右側から音が出ない故障の修理を引き受けました。

右側ハウジング付け根 ハウジングスイング時の状態

右側のハウジングの付け根の部分が破損し、ハウジングをスイングさせると、本来止まる部分では止まらず中の金属ストッパーが飛び出ます。

断線箇所

ハウジングの付け根の内側を見ると、中を通っていたケーブルの断面が見えます。

このケーブルは左側とつながっており、これが断線してしまっているので右側から音が出なくなっています。通常この左と右を繋ぐケーブルは埋め込まれて露出していないため断線する事は滅多にありませんが、今回は筐体が破損してスイング時にケーブルを引きちぎってしまったようです。

断線箇所のハンダ付けかケーブルの交換をすれば音は出ますが、この状態ではまたケーブルが切れるので、まずは破損した穴をふさぎます。

補修

板を挟む位置

破損部分の内側に板を張り付け、スイング時のストッパーがそこで止まるようにします。

ハウジングを固定するネジ

まずはハウジングを固定するネジを外します。ここのネジはかなり外しにくいです。ハウジングを開くと、ハウジングを支えている部品が簡単に外せるので先に分解した方がいいかも知れません。(手順は後述)

切り出した鉄板 鉄板の取り付け

鉄板を切り出し、実際に合わせながらヤスリで形を整えていきます。内部は緩やかなカーブになっているので、それに合わせて鉄板も軽く曲げておきます。最初に100均の薄いアルミ板を取り付けてみましたが、ストッパーが当たると簡単に曲がってしまいました。

鉄板を接着剤(今回はScotchプレミアゴールドを使用)で固定します。鉄板だけだとストッパーが当たった時、力のかかっていない逆側の部分が剥がれてしまうので、円で囲った部分をホットボンドで埋めて剥がれるのを防ぎます。

分解とケーブル交換と組み立て

イヤーパッドの取り外し

ハウジングのイヤーパッドを引っかける溝

イヤーパッドはハウジングの溝に引っかけられています。イヤーパッドは指をパッドの内側に入れて引っ張り、溝から外すように動かすと外せます。取り付けは逆に溝に引っかけいき、最後はパッドを軽く引っ張りながら溝にはめこめばいいです。

交換用イヤーパッドはJ47955-001になります。片側のみなので、両方交換する場合は2つ購入する必要があります。

右側ハウジングの分解

アーム部のパーツの取り外し

ヘッドホンの長さを調整する部分のネジを外します。ネジを外したらスライドさせて外します。左と右をつなぐケーブルはここを通っています。

ハウジングのネジ位置 ハウジングを開く

ハウジングに付いているネジを2本外せば開く事ができます。

右側ドライバの配線の取り外し

右側ドライバの配線図

ドライバへの配線はこのようになっています。右チャンネルの線がやや赤っぽく、GNDは銅線そのままの色です。この2本のどちらが切れても音は鳴らなくなります。

右ドライバ配線の取り外し

ハンダごてを当て、ハンダが溶けた時に線を引っ張れば外せます。ここのハンダは再配線時に再び使うので、ハンダ吸い取り線などは使わずそのまま残しておきます。

右側ハウジング付近の分解とケーブルの取り外し

右側ハウジング付近の配線

左と右をつなぐケーブルは画像の黄色い線の経路を通っています。組み立て時に同じ経路で配線をするので覚えておきます。

ハウジングを支える部品の固定部分 固定部分を押し込む

ハウジングを支える部品は、丸で囲った部分を押し込めば外す事ができます。この部品を外しておかないとケーブルの着脱ができません。

右側ハウジング付近の分解

右側ハウジング付近の分解が完了しました。引き続き分解をしながらケーブルを外していきます。

ケーブルの取り外しと左側ハウジングの分解まで

長さ調節部分の溝

長さを調節する部品の横の溝にケーブルが通っているので外していきます。

線を通す位置

矢印の部分の穴を通ってバンド部分にケーブルが配線されています。

バンド横の溝

バンドの横にある溝のケーブルを外していきます。

左側付近のバンド横の溝

左側も同じ要領で外していきます。

左側長さ調節部分

左側の長さ調節部分も右側と同じ作りなので、ネジを外しスライドさせ外します。

左側ハウジングの分解

イヤーパッドを外し、ハウジングのネジを2つ外して開き、ハウジングを支える部品を内側から押して外します。

左側ドライバの配線の取り外し

左側ドライバの配線図

左側ドライバの端子付近です。右側と比べるとごちゃごちゃしています。

音楽を聴く時、左側のハウジングから出ているケーブルを音の再生機につなぎますが、そのケーブルの根本がここになります。

このケーブルは「左チャンネルの音声信号を流すケーブル」「右チャンネルの音声信号を流すケーブル」「GND」の3本のケーブルで構成されています。GNDは左右共通です。

ここでは右チャンネルとGNDの2本を外します。ここでもハンダごてを当ててハンダを溶かし、溶けたところでケーブルを引いて外します。

左側配線の取り外し

2本の線を外したら、GNDの線をハンダの手前辺りでカットして、外から来た線と左右をつなぐ線を切り離します。これで左右をつなぐケーブルの撤去ができました。

左側ドライバへの配線

左側配線の取り外し

今回はオヤイデ電気で購入した、モガミ電線の極細1芯シールド(2444)を再配線に使っています。秋葉原に行ける人なら店頭でも購入できます。

元のケーブルより若干太いですが、これで配線ができました。取り外した元のケーブルの長さは皮膜を剥いだ部分も込みで約0.9m、今回は余裕を持って1mを切って作業をする事にします。

皮膜剥ぎ シールドと芯線を分ける

皮膜を剥いで芯線とシールド部分に分けます。芯線を右チャンネル、シールドをGNDにつなげます。組み立て時のケーブル通しが面倒になるので、逆側末端の皮膜剥ぎは後回しにします。

GND同士でよっておく 左ドライバへの配線

配線前に外から来てる線のGNDとよっておきます。画像では線にハンダが残っていますが、ちゃんと除去をした方がよりやすいです。

GNDをよったらハンダ付けをして配線を済ませます。ハンダを足さなくても、基板に残っているハンダを溶かして線を付けるだけで取り付けられます。

組み立てとケーブル通し

左側ハウジングの配線

あとは逆の手順でケーブルを通していきます。

左側アーム部への配線 左側アーム部への配線その2

左側の長さを調整する部分に線を通していきます。一番長く伸ばした状態で配線します。若干余裕を持たせておいた方が、伸ばした時に線が引っ張られる事がなく安全でしょう。ネジを止めたら長さを調整して、線が引っかかっていないか確認しておきます。

バンド部分への配線

バンドの横の部分にも線を通していきます。

右側アーム部への配線 右側ハウジングへの配線

ここも左側と同様に配線していきます。

右側ユニットへのハンダ付け 右側ハウジング付近

右側のユニットにハンダ付けをして、残りの部分を組み立てれば完了です。余裕を持って10cmほど長めで配線をしましたが結構余ってしまいました。