リアルサラウンドヘッドホン一覧[ 2017 / 12 / 01 ]

複数のドライバーユニットを搭載するリアルサラウンドヘッドホンのリストと、Windowsでより活用するための設定です。

リアルサラウンドヘッドホン

M500FL HU-510

リアルサラウンドヘッドホンはハウジング内に複数のスピーカーを実装したヘッドホンです。これらスピーカーにマルチチャンネル音源のフロントやリアなどの信号を振り分けてサラウンド再生を行います。スピーカーの配置は横一列や三角形など製品によって異なります。

特徴と改善点

これら設定はWindowsならEqualizer APOで行えます。PC以外でもアナログ接続の機種で有線接続のバーチャルのどれかを持っているなら、それらの定位を改善するステレオモードと組み合わせみても面白そうです。

リアルサラウンドの定位と頭外定位

5.1chリアル再生 5.1ch頭外定位

複数のスピーカーでそれぞれのチャンネルを再生するので明確な前後の区別が付きそうですが、スピーカーは最初の画像のように隣接して実装されているので、前後の音は混ざって耳に届きます。音量などの調整をすると多少は区別できますが、それでも聞き分けるのはなかなか難しいです。

フロントのL/Rを何かしらの手段で前方に定位させると、その影響でリアがやや後ろから鳴っているように聞こえて前後が分離します。頭外定位という普通のヘッドホンでスピーカー風の定位を再現する機能ですが、リアルサラウンドヘッドホンと組み合わせるのも有効です。

サブウーファーとクロスオーバー周波数

クロスオーバー未設定 クロスオーバー設定後

多くの製品にサブウーファーが内蔵されていますが、そのままではあまり動作しません。また、リアルサラウンドヘッドホンには複数のスピーカーが内蔵されているため、サイズやコスト的に低音の再生には不向きなものが多いです。

サブウーファー以外のチャンネルすべての低域部分をサブウーファーに回すことでそれらを改善できます。クロスオーバー周波数はウーファーに任せる低域の範囲です。これを設定することで小型スピーカーの低域を補って迫力が増します。

ステレオ音源のアップミックス

ステレオ再生 アップミックス

ステレオ音源では左右2つのスピーカーしか動作しないので残念な音質になります。

5chや7chにアップミックスして上記2つの処理を加えることで、全てのスピーカーが動作して前後から包み込まれ、サブウーファーによる低音もしっかりと出てきます。マルチチャンネル以外の用途ではいまいち使う気になれないリアルサラウンドヘッドホンが常用できるようになるかもしれません。

リアルサラウンドヘッドホンの現行品@2017年12月初旬

発売型番chF/R/C/W/Sマイク接続価格
2011BSHSUH05BK5.1ch30/30/30/40/--mm全指向性USB3100円
2015Strix 7.17.1ch40/20/30/40/20mm単一指向USB21000円
2015ESR-EH9765.1ch40/40/30/30/--mm単一指向USB8000円
2016Rage Z905.1ch40/30/30/30/--mm全指向性USB13000円
2017ROG 7.17.1ch40/20/30/40/20mm単一指向USB33000円
2017Tiamat 7.1 V27.1ch30/20/30/40/20mm単一指向3.5mm25500円

メーカー別製品一覧

海外のみの製品や一時的に輸入販売されていた物など他にも製品は存在します。重さはヘッドホン単体やケーブルにマイクなどを含むものが混ざっており、間違いもありそうです。

配置は左前方でドライバーユニット(Front/Rear/Center/subWoofer/Side)の大まかな並びです。狭いハウジング内なので配置の表示が離れていても実際は隣接していたり、一部は重なっています。配置の右隣は各ドライバーの直径です。

9pinなどの独自端子を使うヘッドホンは専用のアンプやデコーダーが付属するので、ヘッドホン単体で入手した場合は利用が面倒です。独自端子の下の表記は付属アンプ等の入力端子です。9pinの形状はどの機種も同じですが、アサインは異なるものがあります。

USB接続のヘッドホンはマルチチャンネル出力が可能なUSB-DACを内蔵しており、PCにケーブル1本差すだけでサラウンド再生が可能です。USB給電はアンプなどへの電力供給用です。

A4tech
発売型番配置F/RC/W/SMIC長/重端子
2009
08
HU-510CR40mm
30mm
30mm
30mm
-
uni1.9m
256g
USB
W
F
 
ALLA
発売型番配置F/RC/W/SMIC長/重端子
2003
12
AL-V51HP
AL-V51HP-V
?mm
?mm
?mm
?mm
-
9pin
3.5mm x3
2004
10
EXSOUND Conch
AL-USB51HP
F23mm
20mm
20mm
30mm
-
1.5m
158g
18pin
USB
W
CR
2005EXSOUND SHARK40mm
30mm
30mm
30mm
-
1.5m
?g
18pin
USB
2005EXSOUND Starfish
AL-APD51HP
CR40mm
30mm
30mm
40mm
-
4.0m
?g
3.5mm x4
USB電源
W
F
2006
04
CORAL AL-DP100
DN-DBHS51
CR40mm
30mm
30mm
30mm
-
4.0m
?g
9pin
光/同軸
W
F
2007
08
VIBRAR
AL-DP100A
CR40mm
30mm
30mm
30mm
-
?m
380g
9pin
光/同軸
W
F
2010
03
EMOCION
AL-DP100V
 27mm
10mm
10mm
40mm
-
omni3.2m
168g
9pin
USB
光/同軸
CFWR
 
 
ASUSTeK
発売型番配置F/RC/W/SMIC長/重端子
2015
05
Strix 7.1SCR40mm
20mm
30mm
40mm
20mm
uni1.5m
450g
独自HDMI
USB
W
F
2017
07
ROG Centurion
(ROG 7.1)
C40mm
20mm
30mm
40mm
20mm
uni1.5m
450g
独自HDMI
USB
SWR
F
 
Badasheng
発売型番配置F/RC/W/SMIC長/重端子
2016BDS-933SCR40mm
30mm
30mm
37mm
-
2.2m
293g
3.5mm x4
USB
USB給電
W
F
 
Cooler Master
発売型番配置F/RC/W/SMIC長/重端子
2011
12
CM Storm Sirus
SGH-6000-KK5R1
C30mm
30mm
30mm
40mm
-
uni?m
400g
9pin/USB
3.5mm x4
USB給電
FR
W
2013
02
CM Storm Sirus S
SGH-4000-KW5A1
C30mm
30mm
30mm
40mm
-
uni?m
400g
3.5mm x4
USB給電
FR
W
 
Cyber Snipa
発売型番配置F/RC/W/SMIC長/重端子
2009
12
Sonar 5.1
CSHSSO01D
FR30mm
30mm
40mm
27mm
-
uni3.0m
420g
USB
W
C
2011
04
Sonar 5.1
Championship
CSHSSO03D
 30mm
30mm
40mm
27mm
-
uni2.0m
332g
USB
FCWR
 
 
EASARS
発売型番配置F/RC/W/SMIC長/重端子
2015
08
Trap
ESR-EH976
C40mm
40mm
30mm
30mm
-
omni2.9m
538g
USB
FWR
 
 
Emporio
発売型番配置F/RC/W/SMIC長/重端子
2004palazzo EMAH-042
(CとWが共用)
30mm
23mm
23mm
23mm
-
4.0m
?g
9pin
 
 
Evergreen
発売型番配置F/RC/W/SMIC長/重端子
2004NBJ-TH5.1ACR?mm
?mm
?mm
?mm
-
9pin
3.5mm x3
Mic 3.5mm
W
F
 
G-Star
発売型番配置F/RC/W/SMIC長/重端子
2003HP-60030mm
30mm
30mm
40mm
-
2.5m
?g
9pin
2004HP-65030mm
30mm
30mm
40mm
-
2.5m
?g
9pin
2004
05
HP-680
Rockridgesound
RSJ-HP680
30mm
30mm
30mm
40mm
-
2.5m
?g
9pin
2011
09
HS-692
BUFFALO SAVIOR
BSHSUH05BK
C30mm
30mm
30mm
40mm
-
omni2.1m
442g
USB
FWR
 
 
Kairen
発売型番配置F/RC/W/SMIC長/重端子
2003Tief Mentor USBCR40mm
13mm
13mm
-
-
7極-USB
2004Tief Mentor Analog7極-3.5mm
Tief Mentor AC3F7極-光/同軸
2004
07
Tief Sphere USB
TIEF-U002
30mm
13mm
15mm
20mm
-
2.1m
162g
7極
USB
 
Mad Catz
発売型番配置F/RC/W/SMIC長/重端子
2008Tritton AX Pro
TRI-GA611
C30mm
30mm
23mm
40mm
-
3.8m
?g
FWR
 
2012
10
Tritton Pro+ 5.1F30mm
30mm
23mm
40mm
-
omni3.6m
360g
3.5mm x4
USB給電
CW
R
 
NOVAC
発売型番配置F/RC/W/SMIC長/重端子
2006
12
CHAMPION
Real5.1chSounds
HP-850XB
CR40mm
23mm
23mm
30mm
-
5.0m
380g
9pin
光/同軸
W
F
2006
12
TSUNAMI
Real5.1chSounds
HP-850U
CR40mm
23mm
23mm
30mm
-
2.0m
380g
USB
W
F
2008
12
Real5.1chSurround
CHAMPION
HP-855U
FR40mm
40mm
30mm
30mm
-
2.2m
284g
USB
W
C
 
OZONE
発売型番配置F/RC/W/SMIC長/重端子
2011
04
STRATO Evo 40mm
30mm
30mm
30mm
-
uni3.0m
440g
USB
CFR
W
2016
10
Rage Z90C40mm
30mm
30mm
30mm
-
omni3.0m
392g
USB
W
FR
 
PROFESSOR
発売型番配置F/RC/W/?MIC長/重端子
2005
01
BASIC 5.1?27mm
27mm
27mm
30mm
30mm
1.8m
?g
3.5mm x?
FCR
W
2005
10
BASIC5.1 AMATY 27mm
27mm
27mm
30mm
-
3.3m
290g
3.5mm x3
FCR
W
 
Psyko Audio Labs
発売型番配置F/RC/W/SMIC長/重端子
2009Psyko 5.1 30mm
30mm
30mm
40mm
-
1.8m
530g
3.5mm x4
2011Psyko Krypton
Psyko Carbon
FCR
W
 
Razer
発売型番配置F/RC/W/SMIC長/重端子
2006
10
Barracuda
HP-1 Gaming
Headphones
CR40mm
30mm
30mm
30mm
-
2.0m
?g
独自DVI
3.5mm x4
USB給電
W
F
2012
10
Tiamat 7.1FR30mm
20mm
30mm
40mm
20mm
uni3.0m
350g
3.5mm x5
USB給電
W
CS
2017
10
Tiamat 7.1 V2FR30mm
20mm
30mm
40mm
20mm
uni3.0m
366g
3.5mm x5
USB給電
W
CS
 
ROCCAT
発売型番配置F/RC/W/SMIC長/重端子
2009
12
KAVE 5.1
ROC-14-500
ROC-14-501-AS
R40mm
40mm
-
30mm
-
omni3.4m
427g
3.5mm x4
USB給電
F
W
2014
04
KAVE XTD 5.1
Digital
ROC-14-160
R40mm
40mm
-
30mm
-
omni3.6m
335g
3.5mm x4
USB
F
W
2015
11
KAVE XTD 5.1
Analog
ROC-14-900-AS
R40mm
40mm
-
30mm
-
omni3.0m
335g
3.5mm x4
USB給電
F
W
 
Sharkoon
発売型番配置F/RC/W/SMIC長/重端子
2010
06
X-Tatic Digital
X-DIGITAL
C30mm
30mm
27mm
40mm
-
uni3.6m
?g
9pin
光入力
FR
W
2012
10
X-Tatic PRO
X-DIGITAL PRO
SGH-XTP
C30mm
30mm
27mm
40mm
-
uni4.1m
350g
9pin
光/同軸
FR
W
 
Thanko
発売型番配置F/RC/W/SMIC長/重端子
2004
04
5D1
USB HeadPhone
model:E16M
 ?mm
?mm
?mm
-
-
?m
100g
USB
??R
 
 
Turtle Beach
発売型番配置F/RC/W/SMIC長/重端子
2005Ear Force HPA
Ear Force HPA2
CR40mm
30mm
30mm
40mm
-
?m
?g
W
2007Ear Force AK-R8F
2011Ear Force Z6A
Ear Force Charlie
C30mm
30mm
30mm
40mm
-
?m
380g
3.5mm x4
USB給電
FR
W
 
ZALMAN(MMGEAR)
発売型番配置F/RC/W/SMIC長/重端子
2002
12
MCH-MMS100-B ?mm
?mm
-
-
-
3.0m
203g
3.5mm x2
FR
 
2003
10
MCH-M500FL
Theatre6 ZM-RS6F
 40mm
40mm
40mm
-
-
3.0m
313g
3.5mm x3
FCR
 
2007ZM-RS6F USB 40mm
40mm
40mm
-
-
omni2.4m
313g
USB
FCR
 

USB接続のリアルサラウンドヘッドホン

古い製品はUSB-DACチップにC-MediaのCM106、それ以降はCM6206がよく使われています。それらのハードウェアIDは一部を除き同じものが多いので、現行OSに対応した製品のドライバがあれば、古い機種でも最新の機能が使える可能性があります。

似たような仕様のCM106とCM6206ですが音質周りの仕様はCM6206の方がよいです。ほとんどが5.1chの製品ですが、チップ自体は8chまで対応しています。そのためWindows標準ドライバ使用時にサウンド設定に7.1chが出てきます。

DAC出力DレンジS/N比THD+NハードウェアID
CM106アナログ8ch
48kHz/16bit
90dB92dB-69dBVID_0D8C&PID_0006&REV_0010&MI_00
CM620696dB97dB-88dBVID_0D8C&PID_0102&REV_0010&MI_00

後述のEqualizer APOを使えば各チャンネルの音量調整やクロスオーバー周波数、イコライザなどの設定ができるので、独自機能を利用しないならWindows標準ドライバで十分です。

  • ?:AL-USB51HP(VID_0C45&PID_17FF&REV_0100&MI_00)
  • CM106:ZM-RS6F / HP-850U
  • CM6206:HU-510 / CSHSSO03D / BSHSUH05BK / BDS-933S

音像定位

センター定位とROCCAT Kave

同音量で左右から同じ音を出す 左右のスピーカーの中央から音が聞こえる

左右に距離を開けて置いたスピーカーから、同じ音を同じ音量で出すと、左右の中央辺りから音が出ているように聞こえます。そこに音量差を付けると中央から左や右へずらすこともできます。

ROCCAT Kave 5.1やXTDにセンター用のドライバーユニットはありませんが、フロント左右のチャンネルにセンターの音を分配することでセンターを実現しているようです。ヘッドホンの場合、センターは前方ではなく頭の中央辺りに定位します。

スピーカーとヘッドホンの定位とPsyko製品

左からの音が右耳にも届く 右からの音が左耳にも届く

ヘッドホンは左の音は左耳だけ、右も右耳にしか届きません。スピーカーだと左のスピーカーの音が左耳だけでなく右耳に、右のスピーカーの音も左右の耳に届きます。左右の耳の位置は異なるので音が届くまでの時間や音量は左右で若干変わります。

Psykoの製品はドライバーユニットがヘッドバンドに実装されており、そこから前面と後面に取り付けられている左右のハウジングを結ぶ音導管経由で音を出します。この構造により左耳にも右側の音が、右耳にも左側の音がやや遅れて到着するためスピーカー風の定位になるそうです。センターの音はフロントの音導管に相乗りして流されます。ウーファーは左右それぞれのハウジング内にあります。

上記の現象をそこはかとなく再現するクロスフィードという手法があります。アナログ回路やデジタル音声処理で、逆チャンネルの音をやや遅らせ・小さくし・ローパスフィルターを通した上で合成します。HRTF(頭部伝達関数)を使ったものだとそこそこ効果があり、スピーカーほどではありませんがやや前方に定位します。それをリアルサラウンドヘッドホンのフロントに適用すると効果的です。

Equalizer APOのリアルサラウンド向け設定

WindowsのAPO(Audio Processing Object)を利用して音声処理が行えるソフトです。ブラウザやゲームなどあらゆる用途に適用されます。途中の経路をスルーするASIOなどでは使えません。

ここの内容はマルチチャンネル出力に対応したサウンドカードやUSB-DAC、USB接続のリアルサラウンドヘッドホンで実行できます。非常に古い2004年発売のAL-USB51HPでもWindows10-64bitの標準ドライバで認識されてEqualizer APOを使えました。

Equalizer APOのセットアップ

ダウンロード

Equalizer APOのダウンロード

SourceForgeからファイルをダウンロードします。64bit版はそのページから、32bit版は上のメニューのDownloadからダウンロードします。

インストールと扱うデバイスの指定

ダウンロードしたファイルを実行してインストールします。途中でEqualizer APOで扱うサウンドデバイスの一覧が出てくるので必要なデバイスのチェックを入れます。上のタブの「Playback devices」が再生用のデバイス一覧、「Capture devices」は録音用のものが表示されます。あとで変更できるので、とりあえず全てのチェックを入れておきます。最後にOSを再起動します。

適用する再生デバイスの指定

標準搭載のサウンドデバイスは「High~」、CM106搭載機種は「USB Audio」、CM6206搭載機種は「USB Sound Device」と表示されます。一部の機種は型番などが表示されるかもしれません。

インストール後、スタートメニューの「Configurator」から扱うデバイスを変更可能です。変更の反映にはOSの再起動が必要です。何か新しいサウンドデバイスを接続した時にも「Configurator」から登録してください。

動作確認

スタートメニューの「Configuration Editor」をクリックして起動したら、何か音を出した状態でプリアンプのつまみを左や右にドラッグします。これで音量が変われば動作確認完了です。ついでに右上のチャンネル設定を7.1chにしておきます。5.1chや2.0ch環境でも7.1ch設定のまま使えます。Windowsのサウンド設定は接続するヘッドホンに合わせて5.1chや7.1chを選択して下さい。

設定ソフトの初期状態

上の新規ボタンを押したり、開くボタンから何か設定ファイルを読み込めば新しいタブが表示されて内容の編集ができます。左側の「+」を押すとその項目の上に新しい項目を追加できます。「-」を押すとその項目を削除します。メモのようなアイコンを押すと文字列の編集が行えます。電源ボタンを押すと項目の有効/無効を切り替えられます。

「Instant mode」がONの時、アプリ上の設定を変更するとすぐに動作とテキストの内容へ反映されます。OFFの時は保存ボタンを押したタイミングで反映されます。目的に応じてON/OFFを切り替えると便利です。

基本的に「config.txt」の内容が実行されるようです。他の設定ファイルは「Include」から別のテキストを指定すれば適用でき、電源アイコンで必要に応じてON/OFFします。保存した内容はこの設定ソフトを起動しなくても常時反映されます。

チャンネルごとの音量調整

各チャンネルの音量に差がある場合は同程度になるように調整します。プリアンプで持ち上げると出力の限界に達し、別のチャンネルの音量が下がったり上下することがあります。その場合は各チャンネルを下げる方向で調整した方がよいです。

volume
  • 新規ボタンを押してタブを作成し、そのタブを選択します。
  • 特定のチャンネルにだけ処理を適用する場合、「+」を押して「Control - Channnels」を選びます。まずは「ALL」のボタンをクリックします。
  • 「+」を押して「Basic filters - Preamp」を選びます。ここの値はあとで変更します。
  • 「+」を押して「Control - Channnels」を選びます。今度は「L/R」を選びますが、ボタンを押しても1つしか有効になりません。複数のチャンネルを選択したい時は「Change」ボタンを押して「Select all channels」のチェックを外してから選択します。
  • 「+」を押して「Basic filters - Preamp」を選びます。
  • あとはチャンネル選択とプリアンプの作成を残りの各チャンネル「RL/RR」「C」「SUB」「SL/SR」でも同じように行います。
  • 登録が完了したら上の保存ボタンを押して保存します。ファイル名は「volume.txt」にしました。

プリアンプだけでなくイコライザも登録すれば、特定のチャンネルだけイコライジングすることも可能です。

バスリダイレクトとクロスオーバー周波数

バスリダイレクトは「SUB」以外の「F/R/C/RL/RR/SL/SR」の低音部分だけをサブウーファーに任せます。クロスオーバー周波数はその低音部分の周波数の範囲指定です。これを設定しないとサブウーファーをあまり活用できません。

bass
  • 新規タブを作成します。
  • 「Basic filters - Copy」を開き、右側にある「+」を押して「SUB2」と名を付けたチャンネルを追加します。「SUB」以外のチャンネルをドラッグして「SUB2」に放り込みます。もし間違った接続をした場合、細い線をクリックしてDELキーを押せば消せます。
  • 「Control - Channnels」を開き、「SUB」以外のチャンネルを選択します。
  • 「Parametric filters - High-pass filter」を開き、入力欄に「120」と入力します。この設定の場合、120Hz以上の音だけを通す(120Hz以下を切り捨てる)ようにします。
  • 「Basic filters - Preamp」を開き、「-6dB」とします。ON/OFFや数値はあとで変更してください。他のチャンネルの出力を弱めることでサブウーファーが引き立ちます。音源の音が小さく、音量を最大にしても全体の音が小さい時はOFFにしてください。
  • 「Control - Channnels」を開き、「SUB2」だけを選択します。
  • 「Parametric filters - Low-pass filter」を開き、入力欄に「120」と入力します。この設定の場合、120Hz以下の音だけを通す(120Hz以上を切り捨てる)ようにします。値を変更する場合、上のハイパスフィルタと同じ値にします。
  • 「Basic filters - Preamp」を開き、「-3dB」とします。ON/OFFや数値はあとで変更してください。サブウーファー動作時に音量が不安定になる場合、ここの値を下げると安定します。OFFで使用して特に問題がないならOFFのままにします。
  • 「Basic filters - Copy」を開き、「SUB」と「SUB2」を下の「SUB」に結びつけます。
  • 登録が完了したら保存します。ファイル名は「bass.txt」にしました。

チャンネルの拡張

音源がステレオだとフロント担当のスピーカー以外は動作しません。そこでフロントの音声をリアなどに振り分けて活用します。この処理を加えたあとに上のバスリダイレクトをかけると「L/R」の低音部分が複数重なるので、両方の処理を適用する時は登録の順番に注意します。

upmix
  • 新規タブを作成します。
  • 「Basic filters - Copy」を開き、「L」から「C/RL/SL」、「R」から「C/RR/SR」へ接続します。
  • 「Control - Channnels」を開き、「C」を選択します。
  • 「Basic filters - Preamp」を開き、「-6」と入力します。ここの「C」は「L/R」を混ぜたモノラル状態のため、これが目立つ音量だと音に広がりがなくなります。
  • 「Control - Channnels」を開き、「RL/RR/SL/SR」を選択します。
  • 「Basic filters - Preamp」を開き、「-3」と入力します。
  • 登録が完了したら保存します。ファイル名は「upmix.txt」にしました。

デバイスの指定と作成したファイルの読み込み

作成したファイルを読み込みます。この内容を別テキストにして「config.txt」で読み込ませ、まとめてON/OFFできるようにしてもよいかもしれません。

config
  • 「config.txt」タブを開きます。最初の3項目は「-」を押して消します。
  • 「Control - Device」を選び、「Change」を押して必要なデバイスを選択します。以降の項目はここで選択したデバイスにのみ適用されます。
  • 「Control - Include」を選び、「volume.txt」を開きます。
  • 「Control - Include」を選び、「bass.txt」を開きます。
  • 「Control - Include」を選び、「upmix.txt」を開きます。
  • 「Plugins - VST plugin」を選び、「beyerdynamicVS.dll」を開きます。このファイルはすぐ次の項目で出てくるのでそちらを参照してください。
  • あとは好みに合わせて設定を変更してください。

電源アイコンを押してOFFにすると読み込んでいるファイルの内容がまとめて無効化できます。マルチチャンネル音源を再生する時、チャンネルの拡張がONだと「L/R」の内容しか再生されないので必ずOFFにしてください。

動作確認用のデータなど

Microsoftのサイトから5.1ch7.1chのデータがダウンロードできます。Free surround music downloadには5.1chのBGMが収録されたAC3ファイルが配布されています。DolbyのサイトにLEAF TrailerAMAZE Trailerがあります。Flash動作のメトロノームで遅延の確認ができます。

beyerdynamic Virtual Studioで前方定位

ヘッドホンでスピーカー風の定位を再現するVSTプラグインです。これを導入するとフロントの定位が前方に移るのでリアとの区別が付きやすくなります。

ダウンロードとファイルのコピー

公式ミラーからファイルをダウンロードして解凍します。現在のOSに合わせて32bitもしくは64bitフォルダ内にある2ファイルを以下のフォルダにコピーします。他のVSTプラグインも以下のフォルダに必要なファイルを入れて指定すれば使えます。

C:\Program Files\EqualizerAPO\VSTPlugins

今回の2ファイルは「dll」がVSTプラグイン、「data」はプリセット用データです。

VSTプラグインの登録

「config.txt」タブを開いて「Plugins - VST plugin」を選びます。開くボタンを押して「beyerdynamicVS.dll」を読み込ませ「Options - Embed」もしくは「Open panel」から設定画面を開きます。「Embed」はアプリ上に描画、その下の「Open panel」は別ウインドウで開きます。

Virtual Studio

Virtual Studioの画面が表示されたら右側のルーティングボタンを押します。

ルーティング画面

ルーティング画面では入出力の配線の変更ができます。ドラッグ&ドロップで配線を行います。既存の配線はドラッグして少しずらすと外せます。「1/2」以外の配線を外し、左の同じ番号から右の同じ番号にドラッグ&ドロップします。配線を済ませたら下のDoneボタンを押します。

もう一度「Embed」を押し(別窓の場合は右上の×)てVSTプラグインの画面を閉じます。設定のON/OFFは他の項目と同様に電源アイコンから行えます。VSTプラグインの設定内容はプラグインを読み込ませているテキスト、今回なら「config.txt」に書き込まれます。

これで設定は終了です。設定できるなら以下の項目も試してみるとよいでしょう。

5.1chリアルサラウンドヘッドホンで7.1ch再生

「SL/SR」をVirtual Studioの5.1モードで取り込んで加工し、リアのスピーカーに流すことで7.1chを再現します。Windowsのサウンド設定で7.1chが指定できるサウンドデバイスなら可能です。

7.1ch設定

USB接続(CM106/CM6206)のリアルサラウンドヘッドホンの多くは、専用のドライバを導入せずにWindows標準ドライバを使うと7.1chが選択できます。最初期のAL-USB51HPは5.1chまででした。

USB接続のリアルサラウンドヘッドホンで名称が「USB Sound Device」と表示されるCM6206は、5.1ch(リアがRL/RR)と7.1ch(リアがSL/SR)のそれぞれでリアの配線が変わるので注意です。

VSTを2つ登録

上で設定したVirtual Studioのすぐ下に同じものを追加します。設定画面を開き、こちらは「5.1 Studio」を選択してルーティング画面を開きます。このあとの設定はサウンドデバイスによって異なります。

通常の接続

通常の接続

画像のように配線をします。左側は上の項目で行った設定そのままで、接続の関係を示すために載せています。

リアがサイドに変わるCM6206などの接続

リアがサイドのルーティング

こちらは最後に後方チャンネルを「7/8」へ接続します。

Virtual StudioのCPU使用率

CPU2コア Core24コア Sandy
なし1~3%0.3~0.7%
前方定位4~10%0.8~1.5%
前方&7.1ch7~17%1.4~2.4%

再生時に使われる「audiodg.exe(Windows オーディオ デバイス グラフ アイソレーション)」の使用率です。APOの処理のみ、+前方定位、+前方&7.1chの3つの結果です。地味に負荷がかかります。

バーチャルリアルサラウンドヘッドホン

2chで7.1chバーチャルサラウンド再生を行う処理をリアルサラウンドヘッドホンに適用すると、バーチャルとリアルが両方そなわり最強な感じになります。

セットアップ

Use every Headphone Surround Virtualization on all Sound Cards with EQ APO (Guide)を開いて「Download this archive and extract~」のところのリンクから「config.7z」をダウンロードし、7Zip対応ソフトで解凍します。

中の2フォルダ「hrir」と「reverb」を「C:\Program Files\EqualizerAPO\config」にコピーします。

準備

「surround.txt」というファイルを作り、以下の内容をコピペしてconfigフォルダに保存します。

Copy: L0=L R1=L SL0=SL SR1=SL RL0=RL RR1=RL C0=C R0=R L1=R SR0=SR SL1=SR RR0=RR RL1=RR C1=C
Channel: L0 R1 SL0 SR1 RL0 RR1 C0 R0 L1 SR0 SL1 RR0 RL1 C1
Convolution: hrir\cmss.wav
Copy: L=L0+L1 R=R0+R1 C=C0+C1 RL=RL0+RL1 RR=RR0+RR1 SL=SL0+SL1 SR=SR0+SR1

「reverb.txt」というファイルを作り、以下の内容をコピペしてconfigフォルダに保存します。

Copy: L0=L R1=L SL0=SL SR1=SL RL0=RL RR1=RL C0=C C1=C R0=R L1=R SR0=SR SL1=SR RR0=RR RL1=RR
Channel: L0 R1 SL0 SR1 RL0 RR1 C0 C1 R0 L1 SR0 SL1 RR0 RL1
Convolution: reverb\sbx.wav
Copy: L2=L0+L1 R2=R0+R1 C2=C0+C1 RL2=RL0+RL1 RR2=RR0+RR1 SL2=SL0+SL1 SR2=SR0+SR1
Channel: L2 R2 C2 RL2 RR2 SL2 SR2
Preamp: 3.8 dB
Delay: 120 samples
Copy: L=L+L2 R=R+R2 C=C+C2 RL=RL+RL2 RR=RR+RR2 SL=SL+SL2 SR=SR+SR2

作成したテキストはリアの出力を入れ替えていないので、CM6206系の機種はWindowsのサウンド設定を5.1chに戻して下さい。リアが入れ替わらない機種は7.1chのままでOKです。Windowsのサウンド設定のサンプリングレートは48kHzにしてください。

登録

Configuration Editorを起動し、「config.txt」タブを選び、「Control - Include」から「surround.txt」と「reverb.txt」の順に登録します。もしすでに上の内容で登録しているならVST pluginをオフにしてその下に登録するとよいでしょう。

マルチチャンネル再生や、チャンネル拡張をしてから2ch再生をすると、SUB以外の全チャンネルバーチャル処理がされた音声になります。

「surround.txt」と「reverb.txt」を別タブで開くとwavファイルを読み込んでいる項目があります。ここを別ファイルに変えると処理内容が変わるのでいろいろと切り替えてみるとよいでしょう。reverbは不要ならOFFでもかまいません。

「config.7z」に付属している「surround.txt」と「reverb.txt」は各チャンネルを2つに分け(LをL0とL1)、その分けた2つにインパルス応答などの処理を適用し、L/Rに戻します。これによってL/Rだけで7.1chのバーチャル再生が行えます。この最後にL/Rに戻す部分を、フロント・センター・リア・サイドに戻すように変更してリアルサラウンドヘッドホンで使えるようにしています。

サラウンドデコーダー付きプリアンプPR-155

「INTEC155 デジタルホームシアターシステム」は、音声の増幅を行うパワーアンプはサブウーファーに内蔵され、サラウンド音声の処理などを行う部分はAVコントローラーとして別に分かれています。

AVコントローラーはAVアンプからアンプだけ除いたような作りになっています。そのためAVアンプと比べて筐体のサイズが小さく、消費電力や発熱も控えめです。音声出力はスピーカー用に増幅されていない普通のライン出力なので、RCA-3.5mm変換ケーブルなどを用意すればアナログ接続でアンプ付きのリアルサラウンドヘッドホンを接続することもできます。

古い製品なのでデジタル入力端子は光のみでHDMIはありませんが、基本的なフォーマットには対応しているので、光デジタル出力のあるゲーム機や地デジ/BSのサラウンド音声を再生できます。テレビのアナログ放送が終了した2011年頃から、BDレコーダーなどの再生機器から光デジタル端子が消え、デジタル音声出力はHDMIのみのケースが増えてきているので、接続元の機器には注意が必要です。

スピーカーの処分は面倒なので、使う予定がないならこれを単体(できればリモコンRC-487S付き)で入手した方がよいです。

正面比較 背面比較

どの機種も外観はほとんど同じです。PR-155無印のみ端子の構成が違うため背面が若干異なります。

側面比較 型番表記

筐体の大きさも同じです。型番は前面右下と右側面のシールで確認できます。

消費電力

Standby状態が電源OFF代わりで、完全に電源を切りたい時は電源コードを抜く必要があります。

型番PR-155SPPR-155SPX
Standby1.0W
電源ON10.8W11.3W

消費電力は電源コードが接続された状態で1.0W、電源ONで約11W、音を出すと0.数ワット変動します。

単独で音が出ない症状と対策

この機種は電源を入れても、付属のサブウーファーと接続しないと音声が出力されないようです。そのため通常は単体で使うことができません。

3.5mmプラグとコントロール端子

「REMOTE CONTROL」か「SUBWOOFER CONTROL」のどちらかに、適当なヘッドホンのプラグを何度か抜き差しすると音が出るようになります。抜き差しは半差しを混ぜつつゆっくり動かします。

何度か試してみて問題は起きていませんが、イレギュラーな方法なので壊れる可能性があるかもしれません。プラグを差した時にヘッドホンから「バチッ」と音が出るので、百均のヘッドホンなどを使った方がよいでしょう。

一度音が出るようになれば、しばらくはその状態が維持されます。2週間ほど電源コードを接続しないと内蔵メモリーが初期化されて音が出なくなるので、再び同様の手順を行います。155SPと155SPXの2機種で音が出るのを確認しました。

AVコントローラーの仕様比較

たとえば「ホームシアターセット BASE-V10」に含まれる「AVコントローラー PR-155」のように、セット品の中に目的のものがあります。

世代第一世代第二世代
等級下位上位下位上位中位
セット名BASE-V10BASE-V20BASE-V10XBASE-V20XBASE-V15X
型番PR-155PR-155SPPR-155XPR-155SPXPR-155AX
発売日2002/05/212003/06/092004/03/202004/10/262005/11/11
コントロールアンプ部
入力感度150mV/50kΩ(LINE入力)
出力レベル1V/600Ω(STEREO、VOLUME MAX時)
周波数特性
下段はSW
120Hz~20kHz(+1dB/-3dB)100Hz~20kHz(+1dB/-3dB)
20Hz~120Hz(0dB/-3dB)20~100Hz(0dB/-3dB)
ラジオチューナー部
受信周波数FM 76.00~108.00MHz
AM 522~1629kHz
周波数特性 30Hz~15kHz(±1.5dB)
総合
消費電力12W
寸法W155×H94×D287mmW155×H94×D288mm
質量2.1kg2.0kg
入力端子
光デジタル角型 x2角型 x3
アナログ赤白RCA x3赤白RCA x2
アナログ5.1ch×1セット(RCA x6)
出力端子
アナログ5.1ch1セット(RCA x6)
ヘッドホン3.5mmミニプラグ x1
対応フォーマット
Dolby Digital
DTS
MPEG2-AAC
Dolby ProLogicII
オンキヨー独自のサラウンドモード
HALL
LIVE
STUDIO
TV LOGIC×
DRAMA×
ALLCH ST
FULL MONO×
型番PR-155PR-155SPPR-155XPR-155SPXPR-155AX

仕様はどの機種もだいたい同じです。寸法の幅が155mmですが、INTEC155の155はここから取られています。アナログ5.1ch入力は光デジタル出力ができない5.1chで収録されたSACDとの接続用です。等級は付属品のサブウーファーに内蔵されているパワーアンプの出力やスピーカーの品質に関連していて、コントロールアンプに目立った差はないです。

サラウンドモードの項目にカーソルを当てると内容が表示されます。サラウンドモードはDolby Prologicのような2ch音声をマルチチャンネルに拡張する機能です。Dolby Prologic IIは対象が2chならAACやDolby Digitalに対しても適用できますが、これはアナログ2ch音声かCDなどのPCMデジタル2ch音声限定になります。PCMでも96kHzだとサラウンドモードは使えません。世代で内容が若干変わります。