Victor SU-DH1[ 2014 / 04 / 03 ]

分解などを行います。

SU-DH1の外観

パッケージ表

VictorのSU-DH1です。高価な製品が多いバーチャルサラウンドヘッドホンに9800円という意欲的な価格で登場しました。なかなかの優れ物ですが、安っぽいパッケージに小さな機械で9800円、機能はマイナーなバーチャルサラウンドヘッドホン、ヘッドホンは別売り、知らない人からすればなんだこれは?となりそうです。

パッケージ裏

以下パッケージ裏の商品説明です。

お手持ちのヘッドホンをつなぐだけで、映画館のような迫力のサラウンドが楽しめる。

  • 映画や音楽など様々なソースを迫力の臨場感で楽しめる「ドルビーヘッドホン」技術搭載。
  • ドルビーデジタル / ドルビープロロジックII / DTS / MPEG-2 AACの各サラウンドフォーマットに対応。
  • 光デジタル入力に加え、アナログ入力(本体に収納可能なコード式)を装備。
パッケージのフタを外す パッケージ内部

パッケージ内には保証書・マニュアル・サポートセンターの案内・電池が入っています。

アダプタパッケージ表 アダプタパッケージ裏

別売りで3000円の純正アダプタです。他の3Vアダプタでも動作はしますがノイズの面から純正品を使った方がよいでしょう。

アダプタパッケージ中身

パッケージ内には保証書・マニュアル・サポートセンターの案内が入っています。

外観

SU-DH1正面

正面には動作状態を表示するLEDが点灯し、下のボタンでドルビーヘッドホンとドルビープロロジックのモードが変更できます。ドルビーヘッドホンは3モードあり、OFF/DH1/DH2/DH3と切り替える事ができます。プロロジックはドルビーヘッドホンが有効な時にのみONにでき、OFF/AUTO/MOVIE/MUSICの切り替えができます。

SU-DH1手前

手前右側にはボリュームが付いています。小型ボリュームではよくあるギャングエラーがあり、ボリュームを絞って小音量にした時、左右の音量が極端に変わってしまいます。

SU-DH1左側面

左側面には電源ジャックと電源スイッチがあります。

SU-DH1右側面

右側面には3.5mmのヘッドホンジャック、丸形光入力、アナログ入力用のアッテネータがあります。

SU-DH1裏面 SU-DH1電池ボックス

裏面には電池ボックスがあり、アダプタの他に単3電池2本で駆動する事も可能です。

動作時間
アルカリ乾電池約10時間
マンガン乾電池約2.5時間
SU-DH1アナログ入力

格納されているケーブルを引っ張り出すとアナログ入力ができます。見ての通りの短さで、外で携帯プレイヤーと接続するために合わせているようです。延長ケーブルや変換プラグを使えば様々な機器のアナログ入力も可能です。

分解

背面のネジ

ネジを回すにはNo0の先の細いドライバーが必要です。電池ボックスの中とアナログ入力用のケーブルの下にネジがあるので、それらを先に外す必要があります。電池ボックスの方が銀色、もう片方が黒色のネジです。

筐体を開く

ネジを外すと筐体外側の部分が外れます。サイドパネルも溝に乗っているだけなので一緒に外れました。組み立て時は溝にはめてフタを閉めれば取り付けられます。

電池のバネ 電池のバネをどかす

電池のバネが電池ボックス内で引っ掛かって基板を外せません。基板を揺すりながら持ち上げるとバネを外す事ができます。

アナログ入力用ケーブルの根元 基板を反転させる

電池バネの逆側にはアナログ入力用ケーブルがハンダ付けされていて基板が外せません。そこを軸に基板をひっくり返すと基板の逆側を見る事ができます。

基板

基板表 基板裏

アナログケーブルを外した時の基板です。画像をクリックすると拡大します。

電源とノイズ

音声入力をしない状態でカナル式イヤホンATH-CK9を接続してノイズの確認をします。

電源による違い

どの電源でもボリュームを上げるとサーというホワイトノイズが入ります。

単3電池

単3電池

ホワイトノイズ以外のノイズは聞こえません。

Nintendo MGB-005(MGB-A-AD-JPN) DC3V/300mA

MGB-A-AD-JPN MGB-A-AD-JPN仕様

任天堂の昔の携帯ゲーム機用アダプタです。ウーというノイズが入ります。プラグはL字です。

Nintendo MGB-005(MGB-A-AD-JPN2) DC3V/300mA

MGB-A-AD-JPN2 MGB-A-AD-JPN2仕様

上記機種の後継品です。電池と同様にホワイトノイズしか聞こえません。プラグはストレートです。

Victor AA-D1 DC3.0V/500mA

AA-D1 AA-D1仕様

純正アダプタです。ノイズに関しては電池と同様でした。

SONY AC-ES3010K3 DC3V/1A

AC-ES3010K3 AC-ES3010K3仕様

SONYの一部の小型機器用アダプタです。ウーというノイズが入ります。

BUFFALO AT7081A DC3.3V/2A

AT7081A AT7081A仕様

ここで作成したバッファローの昔のルーター用アダプタです。ブーというノイズが入ります。

電源電圧

ACアダプタをSU-DH1に差し込んだだけの「電源OFF」、SU-DH1の電源を入れた「電源ON」の2通りの測定結果です。電源をONにすると負荷がかかり電圧が下がります。

アダプタ電源OFF電源ON
Nintendo MGB-A-AD-JPN DC3V/300mA3.708V
Nintendo MGB-A-AD-JPN2 DC3V/300mA3.338V3.144V
Victor AA-D1 DC3.0V/500mA2.999V2.982V
SONY AC-ES3010K3 DC3V/1A3.521V3.491V
BUFFALO AT7081A DC3.3V/2A3.551V3.538V

GBアダプタの片方は測定のタイミングで壊れたので電源ON時の値は不明です。

壊れた方のGBアダプタでノイズが出ていますが、何年か前に使った時も同様だったので、壊れかけだからノイズが出ていたわけではなさそうです。MGB-A-AD-JPN2が良好な結果になっていますが、他の同型番の製品も同じとは限らないので気をつけた方がよいでしょう。

ノイズの出なかったアダプタ2機種は「3.144V」と「2.982V」で3Vに近い値になっています。新品電池でもだいたいその値になるのでノイズの有無に影響しているのかもしれません。

電力

トランス式のGBアダプタ以外はほとんど差がありません。

アダプタ電源OFF電源ON
Nintendo MGB-A-AD-JPN DC3V/300mA1.1W
Nintendo MGB-A-AD-JPN2 DC3V/300mA1.3W1.9W
Victor AA-D1 DC3.0V/500mA0W0.6~0.7W
SONY AC-ES3010K3 DC3V/1A0W0.5~0.6W
BUFFALO AT7081A DC3.3V/2A0W0.6~0.7W

後から出てきた電源に依存しないノイズ

新旧比較

電池か純正アダプタで駆動時、左側はホワイトノイズだけ、右側はホワイトノイズに加えてキーというノイズが鳴り続けます。右側は他の項目でいじっていたため基板だけになっていますが、分解前からノイズは出ていました。そんな実験基板の方も最初からノイズが出ていたわけではなく、いつの間にかノイズを出すようになり、原因は不明です。

基板の方はSU-DH1発売年の冬頃に買った古い製品ですがあまり使っておらず、長期使用による劣化ではないと思います。

ノイズの可能性として思い当たる点は非純正アダプタの使用頻度が高かった事です。純正アダプタを持っていながら、他の機器で使っていたそばにあった非純正のアダプタを流用する事が多く、純正品の方はほとんど使っていませんでした。

通常の電池よりも若干電圧の高いオキシライドという電池がありましたが、それを使用すると壊れてしまう製品もあったようです。今回扱った非純正アダプタはオキシライド電池に近い電圧(3.5V)になっているので、その影響があったのかもしれません。

電源端子の接触不良

電源端子が少し動くと電源が切れる接触不良状態になったので対策します。

接点復活材

電源端子に接点復活材

電源端子に接点復活剤(今回はPJK-145)の先端をあてがい吹き付けます。PJK-145は飛び散った液体がべたついて取れにくいので周囲をティッシュで覆った方が良いです。

電源プラグを抜き差し

ACアダプタの電源プラグを差し込み、回したり抜き差しして復活剤を端子とプラグの双方になじませます。電源が切れにくくなりましたが、電源プラグを持って力をかけると電源が切れてしまいます。

電源端子のハンダ

電源端子付近 電源端子のピンアサイン

黄色の枠で囲った部分の5つの端子が電源端子から出ています。5つの端子のハンダにハンダごてを当てて溶かせば接触不良が改善するはずです。

端子のハンダ吸い取り 端子にハンダ盛りつけ

ハンダ不良なので溶かすだけで十分ですが、今回は各端子のハンダを軽く吸い取り、フラックスを塗ってから新たにハンダを盛りつけました。ハンダがかなり溶けにくいので、ハンダごてを端子に当てつつハンダを足しながら(追いハンダ)溶かします。

力をかける向き

ハンダ作業後、矢印方向に力がかかった時に電源が切れていたのが改善しました。最初にプラスの1カ所だけで十分だろうとそこだけ手を付けてみましたが、効果がなかったので残りの4カ所も行っています。

海外版の電源端子

電源端子付近

海外仕様のSU-DH1は電源端子がないそうですが、おそらく基板上にパターンは残っているはずなので、そこに配線して電源端子を取り付ければACアダプタで使えるかもしれません。

ヘッドホン端子の接触不良?

ヘッドホン端子

この個体では問題がないので確認できませんが、ヘッドホン端子の洗浄しても接触不良が改善しない場合、今回の電源端子と同じように端子のハンダを盛り直せば改善するかもしれません。

ボリューム手前の音声出力

ボリューム手前から音声信号を横取りしてみます。

出力までの流れ

SU-DH1は入力されたデジタル音声をDSPでサラウンド処理します。サラウンド処理されたデジタル音声をDACでアナログ音声に変換し、ボリュームで音量を調節、アンプで増幅してヘッドホンへ出力します。

ボリューム直前で横取り

ボリューム手前まで来ているアナログ音声を横取りして、内蔵アンプではなく外部のヘッドホンアンプに直接入れてみます。

アナログ入力ケーブルの取り外し

アナログ入力用のケーブルを音声出力用に流用します。

アナログ入力端子のピンアサイン アナログ入力ケーブルを外す

アナログ入力用のケーブルは、先端にハンダを盛ったハンダごてを当てればすぐに外れます。基板上にRED、GRN、BRと書かれているので、再度取り付ける時に間違う事はないでしょう。

ボリュームのピンアサイン

ボリュームのピンアサイン

IN1/2に入ってきた左右の音声がボリュームで調整されてOUT1/2から出て行くので、ボリュームに入る直前のIN1/2の端子から音声をいただきます。1と2は左右どちらも割り当てる事ができるので、どちらが左か右かは分かりません。このボリュームのGNDは左右共通です。

ハンダ付け

ボリュームへハンダ付け ボリュームへハンダ付け拡大

IN1を右、IN2を左にしてハンダ付けしました。

組み立て途中 変換ケーブル

ハンダ付けが済んだら組み立てます。元々付いていたケーブルを流用しているので元通り組み立てる事ができます。組み立てたら3.5mmからRCAに変換するケーブルを取り付けます。

変換ケーブル取り付け AT-HA20と接続

AT-HA20と接続してみました。ボリュームの配線は1が右、2が左であっていました。

PCのデジタル出力なら普通に聞けますが、DVDを再生してみるとHPAのボリュームを最大にしてようやく普通の音量になるぐらいで音量が足りません。この接続方法でもボリューム3時付近からホワイトノイズや他のノイズが聞こえるので、アンプの前の時点でノイズが出ているようです。一部音声で音が割れる事があり、このとき本体のヘッドホン出力の音割れはありませんでした。

プリアンプを接続

プリアンプを挟む

ヘッドホンアンプの前にプリアンプを挟みます。

MAXIMIZER オペアンプ

+6dB設定のMAXIMIZERを通してみるとDVDの音量がそれなりに足りるようになりました。音割れの方は相変わらずでオペアンプをいろいろ差し替えてみましたが改善しませんでした。

4534

4534

ボリュームの出力をたどってみると抵抗を通って4534というチップに入っていました。

4534付近

4534から出てきた直後の音声を拾ってヘッドホンアンプに入れてみます。

4534のピンアサイン

テスターを当ててみると入力2つの他に、2つだけ電圧がかかっていないところがあったので、そこから音声が出ているのでしょう。

4534にLRを配線 4534にGNDを配線

チップの足にリード線をハンダ付けしました。

4534の先に3.5mmジャック

3.5mmジャックを取り付けてヘッドホンアンプにつなげてみましたが、内蔵ヘッドホン端子と差はありませんでした。

4534の先 ヘッドホン端子

基板をよく見ると4534の音声出力の隣にあるスルーホールは、そのままヘッドホン出力に出ていました。普通に音声を取るなら4534からではなく、音声出力端子の足から取った方が簡単かつ安全です。