目次
過電圧で壊したハードディスク

外付ケースとWD10EADS
現在、eSATA接続の外付HDDで組み立てた外付HDDを使っています。
HDDはWesternDigitalのWD10EADS-00L5B1、ケースはCENTURYのCRIS35EU2です。
今回のWD10EADSは08年の秋頃から発売されたプラッタ1枚の容量が334Gの初期型で、
09年の春頃から500Gプラッタに変更されたWD10EADS-00M2B0に切り替わったようです。

ACアダプタ ACアダプタの極性
最初の画像左側が今回の外付けHDDのACアダプタで、右側がそばに置いてあった別の機器のACアダプタです。
外付用の電圧は12V、もう片方が24Vで2倍の電圧を出力します。
ACアダプタの極性はどちらも同じで、プラグの中央がプラスで外側がマイナスです。

ACアダプタのプラグ
これらACアダプタのプラグはどちらも同じサイズで、
24Vのプラグもスムーズに外付けケースに差す事ができます。

そんな状況で誤って24VのACアダプタを外付けケースにつなげてしまいました。
HDDは動作せず、外付けケースのLEDも点灯しません。
すぐに電源を切り12VのACアダプタをつなげてみましたが、一瞬ケースのLEDが点灯するだけですぐに切れます。

HDDをデスクトップPCの電源に接続
外付けケースを壊したかなと、HDDを取り出してデスクトップPCから電源を拝借してみると、
HDDを接続した途端に動作中のPCの電源が落ちてしまいました。
どうやらケースではなく、HDDの方を壊してしまったようです。

もし壊れた箇所が基板だけの場合、壊した基板を同型のHDDの物から移植する事で復活する可能性があります。
最近のHDDは同じ製造日の基板を用意しても駄目な場合もあるとかで、成功率は低そうです。

基板の取り外し

トルクスドライバ
HDDのネジは星形の特殊なネジが使われており、
専用のトルクス(ヘックスローブ)ドライバを用意する必要があります。
今回は先端を交換する事で複数の大きさに対応する物を使っています。

HDD基板の取り外し
基板を外すと基板を支える水色のスポンジが出てきました。
ヘッド制御とモーター制御用の端子が見えます。

焦げたヘッド制御用端子
ヘッド制御用の端子を拡大してみました。
過電圧が原因なのかうっすら焦げたように見えます。

この基板単独でデスクトップPCの電源に接続してみたところ、同じように電源が切断されます。
基板が壊れているのは確実でしょう。他の正常なHDDの基板単独で接続しても電源断にはなりませんでした。

基板が壊れている事は確認できましたが、ヘッド用端子の先にある内部のチップが無事かどうか不明です。
もし内部基板が壊れている場合、交換用の基板を用意してもそれを壊してしまう事があるようです。
また、別の基板を取り付けた時点で、交換元・先の両方が使えなくなる場合もあるようです。

WD1600AAJSを使った状況の再現

WD1600JS二つ
「基板を交換する事で正常な方まで壊さないか」、「内部のチップが生きているか」の2点を確認をしたいので、
WD10EADSと同じWesternDigitalのHDD、WD1600AAJSを二つ用意して状況の再現テストを行ってみます。
どちらも2006年12月15日製造の同じ日の物でした。

WD1600JSへ24Vの電圧をかける
WD10EADSに行ってしまった時と同じように、外付けケースにWD1600AAJSをセットして24Vの電圧をかけます。
電源が入らなくなり、デスクトップPCの電源に接続すると同じように即電源断になります。
ここまでの挙動はWD10EADSと同じです。

破損前の基板と比較
上の正常な基板の端子は綺麗なままで、下の壊してしまった基板の端子は焦げたようになっています。

この壊したWD1600AAJSに正常な基板を取り付けてみたところ、無事に読み込みが行えました。
同じ手順で壊し、同じ挙動を示すWD10EADSのHDD内部の基板も無事の可能性が高そうです。

WD10EADSの基板交換

WD10EADSの製造日
今回のWD10EADSの製造日は2008年12月18日でした。

WD10EADS二つ
同日の物を探しましたが見つからず、2008年12月10日と製造日が近い中古を見つけたので購入しました。

WD10EADSのスポンジ
基板を外すと違う色のスポンジが出てきて別物な感じが。

WD10EADSの基板比較
基板自体に目立った差は見られませんがシルク印刷が若干違います。
左側の18日の方が2、右側の10日の方は3と書かれています。
あと10日の方のヘッドの端子が壊した基板より焦げていますが
普通に動作しているので自然になる物なのかもしれません。

とまあ細かな違いはありますが基板交換で無事認識しました。
すぐに別のハードディスクにバックアップを取りましたが、読み込みエラーなども出ませんでした。

基板交換の失敗例

上の基板交換がうまくいってから一切触れずに数ヶ月、久々に使おうと電源アダプタをつなぎ、電源ボタンを押す直前に24Vアダプタを接続している事に気づき、電源を一旦外してほっと胸をなで下ろしたところ、よく見ると電源をつなげる前から既に電源ボタンがONの状態になっていました。

今回購入したのは、一ヶ月程度の差なら大丈夫だろうと09年1月17日製造のWD10EADSです。
交換した結果は中のモーターが回るような音と振動は確認できましたがPC側に認識されませんでした。

ここで心配だったのが、流用できない基板を付けた事で、
「不適合の基板を取り付けた中は無事だと思われるHDD」
「正常だった基板」
この2つを壊してしまわないか。

基板を戻したところ1月製造のHDDは普通に動作しました。
しかし、不適合の基板を取り付けたHDDの状況は分かりません。

3度目の基板交換

今度は交換に成功した18日と10日の間になる08年12月16日製造のWD10EADSを購入しました。

取り付けたところ、不適合の基板を付けたHDDが再び認識しました。
16日の基板で10,18日のHDDを動作させる事ができました。

というわけで「不適合の基板を取り付けた中は無事だと思われるHDD」は壊れていなかったようです。
しかし、製造日の大きく異なる基板の交換をして壊れないという保証はないので、
逆の作業になる、09年1月製造のHDDへ基板の移植は試していません。

メモ書き
WD1600AAJSとWD10EADSの基板

WD1600AAJSとWD10EADSの基板
WD1600AAJSとWD10EADSの基板を並べてみました。
製造時期は約2年ほど違いますが、似たような作りになっています。
2006〜2008年辺りのこんなレイアウトをしているWDのHDDは、今回と同じような対応ができるかもしれません。

同日製造のWD1600AAJSの基板

基板の裏面に印刷された数字は両方「2060-701444-003 REV A」

製造日 基板裏面のシール 88i6745-TFJ1の製造週
06-12-15 2061-701444-000 AA〜XW 3Y03 3HE8 3 0007240〜7247 0643 B1P
06-12-15 2061-701444-000 AA〜XW 3Y03 3J50 3 0007240〜7247 0646 B1P

WD1600AAJSの制御チップは、1行目に「88i6745-TFJ1」
2行目は製造番号「YPM05710」と「YPM06174」
3行目は製造週「0643 B1P」と「0646 B1P」、4行目は製造国「TW」
同日製造の基板ですが、制御チップは製造時期の違う物が使われています。

日付が異なるWD10EADSの基板

基板の裏面に印刷された数字は4枚とも「2060-701590-000 REV A」

製造日 基板裏面のシール チップ1 チップ2 シルク印刷 スポンジの色
08-12-10 2061-701590-J00 AA〜XC 7K06 2E0T R 0004220〜9224 0841 A1P 99 842 3 グレー
08-12-16 2061-701590-J00 AA〜XC 7K06 0R5B K 0001240〜9241 0841 A1P 8U 843 2 4108 グレー
08-12-18 2061-701590-J00 AA〜XC 7K06 0ENU M 0002220〜9222 0841 A1P 8U 842 2 ブルー
09-01-17 2061-701590-J00 AA〜XC 7K06 3AZB R 0006290〜9296 0842 A1P 8U 846 3 4408 グレー

※チップ1=88i8846-TFJ2の製造週、チップ2=SMOOTHチップの製造週、シルク印刷=中央付近に書かれた数字

S.M.A.R.T.のデータ

基板を乗せ換えてCrystalDiskInfoで確認をすると、それぞれのHDDで稼働時間など異なる値が表示されました。
どうやらS.M.A.R.T.のデータは基板上にはなく、HDD内部のチップに格納されているようです。
今回の4台全てのHDDのファームウェアは「01.01A01」でした。

ファームウェアは4台同じ、基板も見た目は大して変わらず、
制御チップは1月の物だけ製造週が違いますがWD1600AAJSでは同日の物で製造週が違うので関係は無さそう、
どの辺の仕様が変わって1月の物が流用できなくなったのか分かりません。
とりあえず今回のような目的の場合は極力製造日が近い物を探すとよいでしょう。

PC関連の中古ショップ店頭にて

日付がシールで隠れている
今回は中古店で購入しましたが、画像手前の2台のようにシールで日付が確認できない物がありました。
オークションでWD製のHDDを売る時は、製造日の記述や拡大写真を載せると、
今回のようなサルベージの切り札になる事もあるので、より売れやすくなるかもしれません。

WD1600AAJSの分解

WD1600AAJS 隠しネジ
基板の壊れたWD1600AAJSの分解をしてみます。
とりあえず表面に見える6つのネジを外してみても開く事ができません。
と思っていたら、シールの下にもネジが一つ隠れていました。

ネジを外した時点でHDD内に埃などが入り中のディスクにダメージが行きます。
蓋を開けてできる事はないので壊す目的以外では触れない方がよいでしょう。

裏面のシール
裏面や側面に貼ってあるシールを剥がしても、内部に空気が入り壊れてしまいます。

WD1600AAJS内部
内部はこんな感じになっています。

ヘッド制御用の端子 ヘッドの根本のチップ
上で出ていたヘッド用の端子はネジ止めされていました。
それがヘッドの根本につながっています。
もし過電圧などでこのチップが壊れたらどうしようもないでしょう。

まとめ